先日、中播磨地域商工会振興協議会主催でテレワーク導入セミナーに登壇しました。お話ししたことをダイジェストでお届けいたします。
テレワークは在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務の3つを総称する働き方の名称のことです。昨年新型コロナウィスルをきっかけにテレワークが世の中に広まりました。テレワークを推進するための国の支援策はたくさんありますが、いざ検討するとなると「何をすれば良いのかわからない」「ITが苦手」というのが中小企業の実態です。本セミナーでは、ICTを活用したテレワーク導入後のイメージを掴んでいただくこと、導入時に検討すべきこと、テレワークを円滑に進められるICTツール、そしてセキュリティ対策についてご紹介しました。巷にはテレワークセミナーはたくさんありますが、正直なところ大手企業向けで、難しい言葉が登場し、中小企業ではわかりにくい印象を持っています。今回はできるだけわかりやすく、身近に感じていただける内容をお届けしました。
ICT導入には「イメージ」が大切です。
日本はIT導入が他国より遅れていると思います。取分け、思い切った投資ができない中小企業は取り残されがちです。大手企業のように企業内に専属の「システム担当者」を置くことができないので、経営者や総務担当者が片手間で担当しているのが実態です。そのような企業にIT人材として支援に入ってきて、良く思うことがあります。ICTに対する印象が「技術的な要素が強く、横文字ばかりで」苦手意識が強いことです。技術や機能的なことは後回して良いと思います。一番大切なことは、「何のために導入し、稼働した時にITを使ってどんな風に従業員が働くている様子をイメージできる」ことだと思います。このイメージがないまま製品検討をすると、ベンダーの言いなりで高い製品を買ってしまったり、導入後、自社に合わず使いにくいものとなり、利用しなくなってしまいます。
テレワーク運用の生命線はネットワーク環境です。
どんなに良い端末やソフトを利用していても、通信環境が悪く、セキュリティが脆弱では意味がありません。現在、自社で利用しているネットワーク環境を確認し、従業員在宅環境を含め最適な環境を検討してください。セミナーでお勧めしたのは、リモートデスクトップ接続、VPN接続です。リモートデスクトップ接続はテレワーク兵庫を活用されても良いと思います。VPN接続は最寄りの業者を頼ってください。例えば複合機はどの会社も導入していると思います、出入りしている担当者に相談してください。
業務見直しはこれまでのやり方を変える絶好のチャンスです。
テレワーク導入範囲を決める際、業務棚卸しを推奨しています。できればしっかりとやっていただきたいです。意外と無駄なことをしていたり、本来担当すべきでない方が引き受けているケースがあります。また、最初からできないと決め付けずに実施しましょう。
セキュリティ対策は技術的・人的両方の対策が必要です。
ICT技術は進化しており、大抵のことは解決できそうです。しかし、最終的なセキュリティは人の手に委ねられます。導入前後の教育やセキュリティルールは策定しましょう。端末管理台数が多い場合は、MDM(Mobile Device Manegement = モバイルデバイス管理)がお勧めです。
テレワーク導入成功のポイント
色々とお話ししましたが、ポイントとしては以下5つかと思います。
・経営層がリーダーとなり推進体制を構築する
・段階的に導入していく(最初から完璧を求めない)
・従業員と相談しながら進める(巻込む)
・使いやすく習慣化できるようにする
・わからないことは専門家や業者に頼る
ICT活用は組織力の強化につながります。
テレワークをはじめとするICT導入を通じて共通したメリットがあります。
・形骸化している仕組みや仕事のやり方を見直すチャンス
・偏ったコミュニケーションを改善するチャンス
導入に成功している企業の多くは、これらの恩恵を受けており、組織力強化につなげています。