“新たな事業にチャレンジ!事業計画策定セミナー”に登壇しました。(前編)

 赤穂商工会議所で事業計画策定の実践型セミナーを開催しました。「新たな事業にチャレンジ!」と題し、経営計画策定のエッセンスを学びながら、補助金申請にチャレンジしていただきます。経営者、創業予定者など多彩な方が約15名が集まりました。第1回目は、事例紹介、自社の強みを発見するワークなど、お客様の設定方法など、新事業立上げに必要なエッセンスを盛り沢山でお届けしました。

目次

事業計画書に必要な3つの視点

新事業を考える時は、「自社」「顧客」「ライバル」の3つの視点が必要です。大きくは「自社」と「顧客・ライバル」の2つ分けられ、経営には圧倒的に世の中を見る視点が必要になります。

成功事例から学ぶこと

ねこのて運送代表 後藤 涼様の新事業コンセプトを紹介しました。後藤様は、手作りクロワッサンとこだわり紅茶の専門店 『9683(きゅーろくはちさん)』を、2年前に開業しました。周辺に大手チェーン店や専門店が乱立する立地で生き残るために、以下のコンセプトを考えました。

自社の強み

・パン職人歴30年が提供する豊富な種類のクロワッサン(技術と商品開発力)
・選された茶葉とエスプレッソマシンから抽出した本格的ティーエスプレッソ(クロワッサンとのマリアージュ)
・未来チケット(大人の社会貢献意欲に着目したコト消費)

顧客

 家事、育児、仕事と忙しい30~50代の女性です。新長田の人口動態や社会背景を考慮して設定してます。

ライバルとの差別化

 上記から、商品・サービスにおいて、大手チェーン店などのライバルと単に対局のポジションを取るのでなく、「強みを組み合せた総合力+ニッチなポジションを設定」していることがわかります。
例えば、「テイクアウト店ではなく、こだわりのドリンク(ティーエスプレッソ)を提供するテイクアウト店」
「クロワッサン専門店ではなく、30年のパン職人が提供する毎日食べても飽きないクロワッサンを提供する専門店」です。一番差別化が図られているのは、未来チケットです。これは、大人がチケットを購入、子供が将来の夢をチケットに記入すると、クロワッサンと交換できる仕組みですが、全国的に見ても珍しいコト消費の取組みです。

何屋さんですか?

「あたなは何屋さんですか?」これに対してサクッと答えられる方は、自社のPR(強み)を理解していることになります。最初は準備運動を兼ねて、自社の企業概要を整理し、互いに自己紹介をしていただきました。次に、強みをあぶり出すワークを行っていただきました。「自社の提供する商品・サービスの強みを10個」10分で書き出していただきました。ディスカッションでは書き出した強みを説明、意見交換をします。アウトプットをすることで、更にご自身の中で理解が深まっていきます。

ターゲットとは、地域、年齢、性別などある程度のボリュームがある属性で設定し、ひと昔前に使われていたマーケティング手法です。今は、ユーザー主導で物が売れます。ITのおかげで世の中には情報が溢れ、商品・サービスを販売する企業を、顧客が選ぶ時代になりました。だからこそ、企業はより深く顧客の事を知り、「心に刺さる打出し方」を考えないと商品・サービスが売れなくなっています。そこで、「ペルソナ」という概念が登場しました。「たった1人のために」商品・サービス、売り方を考える意味です。ペルソナの設定するワークを実施していただきました。

顧客を特定する際、最も重視すべき情報は、「価値観、ライフスタイルなどの心理的側面」です。商品・サービスを利用した前後で、顧客の気持ちや状況がどのように良い方に変化するのか、ここを明確に定義する必要があります。段階的にワークを進め、対象顧客の「変化」を考え、ペルソナを定義していただきました。

事業実現可能性の3要素は、「自社の強み」「ライバルとの差別化」「需要」があります。事業コンセプト(自社、顧客、ライバル)の根拠となる情報です。特に多くの方が、「需要」をどのように調べ、根拠とすれば良いのか悩まれます。業界動向、商圏設定、人口動態、競合調査をの方法を学んでいただきました。今は、インターネットを活用し簡単に情報を入手することができます。できるだけ簡単に取組める方法をお伝えしました。

さいごに

 本セミナーは「インプット⇔アウトプット」を多数取入れています。学んだらすぐに実践!自分の言葉で伝える、相手の発言にも耳を傾けることで、速いスピードで新事業コンセプトがブラッシュアップされていきます。初回にも関わらず、参加者の皆様はとても活発にディスカッションをされていました。宿題もたくさん出ておりますが、参加者の皆様には何とか頑張っていただきたいです。

次回は、後編 「新事業を考えよう」と「補助金活用」についてお話しします。

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