“新たな事業にチャレンジ!事業計画策定セミナー”に登壇しました。(後編)

 赤穂商工会議所で事業計画策定の実践型セミナーを開催しました。「新たな事業にチャレンジ!」と題し、経営計画策定のエッセンスを学びながら、補助金申請にチャレンジしていただきます。経営者、創業予定者など多彩な方が約15名が集まりました。第2回目のテーマは「実現に向けたプランを作ろう」です。成功に導く事業計画作成のコツを学ぶための様々なアプローチ法、第1回で設定した顧客ニーズも踏まえた市場設定に必要なエッセンスを盛り沢山でお届けしました。

目次

新事業成功のポイントは

 「数字と現場が繋がること」です。右図のような数値管理の仕組み作りが必要です。新事業が立ち上がると売上を上げることに専念しないとけないため、資金面管理に目が行き届かなくなります。新事業計画策定時は、収益計画と連動した資金繰り計画を必ず作成してきましょう。そして、計画と実績を確認する日を決めておき、実行することです。

損益分岐点売上高の算出

「売上ー経費=0」となる売上高のことです。売上高で管理する方が多いですが、「利益額(率)」を重視しましょう。でないと、売上が上がっている割に、手元に現金が残らない状況になってしまいます。セミナーでは、損益分岐点売上高の算出方法を、①原価率、②固定費、②変動費の視点で算出していただきました。

売上根拠の作成

 「価格設定」についてよく聞かれます。顧客層、ライバル、目標利益、集客状況など様々な要素から設定します。例えば、集客に力を入れたい場合、少し価格を下げることも必要ですし、ライバルの価格を意識して調整することもあります。ですが、前述の損益分岐点売上高と同様の考えで設定しましょう。仮に、集客目的の価格設定で赤字で販売しても、別の名目で黒字化できる販売方法を考えておきます。Excelなどで予めシュミレーションする方法をご紹介しました。また、業種別の売上計画フォーマットをご紹介しました。

持続化補助金、IT導入補助金、ものづくり補助金、事業再構築補助金、事業承継・引継ぎ補助金をご紹介しました。自社に合った制度を探す時の基準は、「補助金の目的、補助対象経費、補助対象者、補助額の上限、補助率、申請期限」を参考にすると良いです。例えば、同じ経費が対象になっていても、補助上限額が異なる、補助金を申請したいけど、今すぐに事業をスタートしたいケースがよくあります。その様な場合は、「補助金を獲得できなくても事業を実施するのか?」を判断基準にしてみてください。

公募要領の指示に忠実に答える

 補助金採択に必要なことは、「読み、書き、そろばん」と「事業の筋」です。全てをバランス良く持つことが必要になります。「読み」は公募要領を読み解く、「書き」は事業計画作成の文章力、「そろばん」は数字計画の作成です。これらは専門家などに依頼することで解決できますが、「事業の筋」は経営者でないとできないことです。また、補助金申請に必要なお作法10箇条をお伝えしました。

事業計画全体像をイメージする

 事業計画書は3ページから最大15ページ作成が必要なものがあります。考えながら作成することは非常に効率が悪いです。「自社の今の経営状況、何が問題で、今後どうしていきたいか、そのためにどのような新事業をやるのか」のイメージを持っておくことが大切です。まずは事業コンセプトを作ってみましょう。

 収益力を高めるための新たな武器を手に入れることです。事業計画作成を通じて、「自社を客観的に見る力、新たな事業を生み出す力 、経営の質を高める力」を手に入れることができるからです。

さいごに

 事業計画書の実践型セミナーとしては難易度が高かったのですが、参加者がモチベーションを切らさず、自社の経営と真摯に向き合い、完走していただけたことに非常に感激しております。経営者同士で横の繋がりが出来、今後新たなビジネスが生まれそうな予感さえしました。

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