兵庫県よろず支援拠点にて「小規模企業のためのM&A戦略セミナー」に登壇しました。定員10名のところ、参加者が約20名となり、M&Aへの関心の高さを実感しました。まだ兵庫県では小規模企業へのM&A知名度が低く、間違った考え方を持っている方も見受けられます。M&Aは「ビジネス」です。企業が持続的に成長していくための手段としてお考えいただける様、事例を交えながらお話ししました。
M&Aのキホン
M&Aは合併と買収の略称であり、企業が生き残っていくための手段(ビジネス)です。これまで資金がある企業を中心に行われておりましたが、中小企業、小規模企業へと広まっています。特に、事業承継の手段として、後継者不足解決への期待度が高く、国を挙げてM&A推進に取組んでいます。また主なM&Aの種類(スキーム)として、株式譲渡と事業譲渡をご紹介しました。
小規模M&Aの進め方
全体の流れを把握する
M&Aを知るにはまずは、「全体の流れを把握」しましょう。M&Aを進めていくと、様々な経営判断を迫られます。セミナーでは右図を使って、プロセスごとに取組むべきポイント、留意点を説明しました。
また仲介者の存在は欠かせません。M&Aには税や法律の知識や契約書類の作成も必要で、中小企業が自力で進めるのは難しいケースが多いです。一般的には仲介者を介して進めます「民間の仲介会社、事業承継・引継ぎ支援センター、インターネットプラットフォーム」をご紹介しました。
M&A成功のポイント
M&Aは準備がすべて
M&Aはマッチングが始まると一気に進んでいきます。右図のは必ず守っていただきたい内容です。特に「売り手」にとってM&Aは、最初で最後の大仕事となることが多く、不安の中で重要な決断を迫られます。マッチングが始まるまでに仲介者と相談し、様々なシチュエーションを想定しておきましょう。
企業価値の考え方
価格は買い手の主観で決まる。
正直なところ、小規模企業の企業価値(価格)はあってないようなものです。トップ同士の価値観を擦り合わせていく中で、最終的に買い手の主観で決定します。右図をイメージとして持っておいていただくと良いです。つまり企業価値は、「過去の実績に将来性を加味したもの」です。また、企業価値算出式として年買法(年倍法)をご紹介しました。「企業価値=時価純資産+(当期純利益×1~3年)」
※あくまで目安なので、参考程度にしてください。
アンケート結果
大変満足+満足の回答が93%となりました。満足度の具体的な理由は右図の通りです。
今回は経営者や創業希望者、支援機関など様々な立場の方が参加されていましたが、皆さまに役立つ情報をお届けできたように思います。