突きつけられた「廃業」か「継続」かの選択
小規模事業者にとって事業承継は大きな課題となっています。多くの企業は親族内承継が難しく、従業員から後継者を探すとしても、育成までの時間や経営者保証など後継者にも大きな負担がのしかかってきます。経営者としては早くリタイアして肩の荷を降ろしたいところですが、従業員や取引先のことを考えるとなかなか引き際の決断ができない状況です。このようなケースでは第三者承継(M&A)は非常に有効な選択肢となります。本事例は後継者問題を解決しただけでなく、売手と買手双方のメリットも見込まれる良い事例となりました。
| 譲渡企業 | 譲受企業 | |
| 業 界 | 教育業 | 教育業 |
| M&Aの目的 | 後継者探し | 市場拡大 |
譲渡企業について
譲渡企業は創業約20年、従業員約5名、小中高向けの完全個別学習指導塾を営んでいる。高校受験指導がメインで地元難関有名高への合格実績もある。 生徒ひとりひとりに寄添った指導や親御さんとのコミュニケーションを大切にしており地域からの信頼も厚い。10年ほど前から大手学習塾の参入が相次ぎ売上が徐々に減少、利益は確保できていたが、新たな営業手法を模索していた。経営者は事業承継についてベテラン従業員を視野に入れて考えていたが、M&Aの選択肢があることを知り、インターネットプラットフォームを活用した譲渡先探しに乗り切った。

後継者がいない不安と、従業員の雇用を守る責任
従業員の雇用を守ることが最優先であった。また譲渡企業はコロナ禍で生徒数減少しており、事業継続には早急な経営改善策が必要であった。その為、買収企業には業界に精通し営業力があることが求められた。さらにM&Aに取組むのが初めて、知識なく進め方がわからないため、コンサルタントのサポートが強く求められた。
買収企業の概要
買収企業は10社ほど名乗りを上げたが、最終的には同業界企業に絞り込まれた。当該企業はM&Aでの買収を積極的に行っている。今回手を挙げた理由は、新たな市場拡大を狙ってのことであった。また譲渡企業が持つ長年の学習塾経営ノウハウと一定の生徒数が魅力的であった。
具体的な解決策:価値観の合うパートナー選びと、スムーズな事業引継ぎの伴走
- 譲渡企業はM&Aが初めての為、小まめに打合せやコミュニケションを行い不明点や不安を取り除いた。
- 譲渡企業に後悔しない結論を出していただくため、多面的な見解や情報提供を行った。
- 企業価値(譲渡価額)算出根拠を丁寧に説明し、経営改善策をサポートした。
- 買手企業との諸条件交渉、契約書作成サポートなど譲渡契約まで一貫したサポートを行った。
支援の結果:次世代への確かなバトンタッチと、地域に守られた事業の未来
M&Aの結果、譲渡企業は会計管理などのバックヤード業務の簡素化、生徒集客活動のパワーアップが図られ、従業員が講師業務により専念できるようになりました。今後はオンライン授業なども積極的に取り入れる予定です。買収企業もこれまで参入が困難であった地域への進出が実現し、更なる経営基盤強化に繋がりました。今後は、両社が持つ指導と営業ノウハウを共有することで、生徒満足度向上に取組んでいきます。
コンサルティングの視点:M&Aは、大切に育てた事業を未来へつなぐ「架け橋」である
M&Aは「身売り」ではなく、前向きな「事業の継続」
長年大切に育ててきた事業や、お客様・従業員との関係を守るための手段として、M&Aは非常に有力でポジティブな選択肢となります。
数字以上に「想い」の一致を大切にする
条件面だけでなく、企業の文化や経営者の理念が一致する相手を見極めること。この「価値観のマッチング」こそが、承継後の成功を左右します。
第三者だからこそできる、冷静かつ温かい仲介
当事者同士では話しにくい感情的な部分や、複雑な実務手続きを専門家がサポートすることで、双方にとって納得感のある円満な承継を実現します。